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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《塔上の奇術師/鉄人Q(とうじょうのきじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 151,766 字 · 303 頁
やがて、いっそうへんてこなことがおこりました。道化師は、するすると避雷針のてっぺんまで、のぼっていったのです。
それから、まるで曲芸師のように、避雷針の先の、するどい剣におなかをつけると、両手、両足をはなして、うつむきになり、くるくるくると、からだを回しはじめました。まるで、ぼうの先に、かめの子をのせたようなかっこうです。
「アラッ、あんなことして避雷針の先が、おなかにささってしまうわ。」
「きっと、おなかに鉄の帯をしめているのよ。その鉄にくぼみができていて、そこへ避雷針の先があたっているのよ。いつか、サーカスで、ああいうの見たことあるわ。」
まっ赤な道化師は、大の字にのばした手足で、うまくちょうしをとりながら、だんだん早く回ります。くるくる、くるくる、美しい風車のようです。
ああ、もう道化師のすがたも見えないほど、はやくなってきました。ただ、まっ赤なものが、目にもとまらぬはやさで回っているのです。
「わたし、こわいわ。恐ろしいことのまえぶれかもしれないわ。おうちへ帰って、おとうさまに知らせて、しらべていただくわ。」
「ええ、それがいいわ。わたし、おおくりするわ。