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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 頁
それでもようやく、
「ナニ、勧進帳を読めと仰せ候か」
まで漕ぎつけたから、役者よりも、長唄よりも、道庵がまずやれやれ安心と息をつき、この分なら尻尾を出さずに済むかも知れない、ともかく、無事に勤めさせてやりたいものだとなお心配をつづけたが、案ずるより産むが易く、
「それつらつら、おもんみれば、大恩教主の秋の月は涅槃の雲に隠れ……」
勧進帳の読上げも凜々たる調子を張って、満場をシーンとさせました。
「一紙半銭の奉財のともがらは、この世にては無比の楽にほこり、当来にては数千蓮華の上に坐せん、帰命稽首、敬って白す」
淀みなく読み上げると、唄もすっかり元気を回復して、
「天も響けと読み上げたり……」
満場は深い感動の色を現わしたようです。
しかし、仏頂寺弥助はようやくうけがいません。すべてが感心の色を現わした時、仏頂寺は首を左右に振って、
「いかん」
と言いました。
観客が険しい眼をして見るのを、丸山勇仙が気兼ねをして、押えようとするが、仏頂寺はうけがわず、
「いかん。何とならば、この時の弁慶は、あくまで本物の山伏のつもりで勧進帳を読まなけりゃならん、それだのに、この弁慶は、弁慶ムキ出しで勧進帳を読んでいる、これじゃ富樫というものが、全然ボンクラになってしまう……義経もこれじゃ助からない」