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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,467 字 · 168 頁

青空文庫

この調子で、がんりきの百と、のろまの清次とは、相連れて美濃路の旅をつづける。がんりきとしては、国境を出てもやっぱり変装は改めず、ただ、もどかしいのは、のろまのために足の調子を合わせてやらねばならないことで、それでも二人はこうして、ついに美濃の国、垂井の宿まで無事に来てしまいました。

垂井は、美濃路と木曾路の振分け路――垂井の泉をむすんで、さあ、これから関ヶ原を越えて近江路と、心を定めて宿をとったその晩に、巷で風説を聞きました。

明日、関ヶ原で合戦がある――片や長州毛利、片や水戸様。

慶長五年の仕返しが、明日からこの関ヶ原に於て行われる。

がんりきも、のろまも、変な気になりました。なるほど、その風説がかなり人気にはなっているが、土地の空気というものは、あんまり緊張もしていないし、さのみ殺気立っているというわけでもない。慶長五年の時は、この辺はみんな焼き払われたものだそうだが、今日はそのわりに人が落着いている。

なおよく聞いてみると、合戦は合戦だが、模擬戦に過ぎないということ。

こんどお江戸から、さるお金持の好奇なお医者さんが来て、この関ヶ原にあんぽつを駐め、道中の雲助の溢れをすっかり掻き集め、それにこのあたりの人夫をかり出して、昔の関ヶ原合戦の型をひとつ地で行ってみようとの目論見だ。