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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 頁

青空文庫

四十

お銀様の事業の番頭として不破の関守氏が与えられたことは、偶然としても、稀れに見る偶然でありました。

この人は、中国浪人と称しているけれども、その藩籍俗姓のくわしいことは、まだわからない。不破の関の巻を読んだ人は、相当に色どりのあるロマンスを持ち、心の悩みに相当の解脱を持ち来たしているということはわかります。

かの如くして、美濃の国の関ヶ原の不破の関屋の板廂の下に暫く身をとどめて、心を癒しておりましたが、その間に、読書もすれば、人事をも考えていました。

ことに、美濃にゆかりある人物に就いては、親しくその人を育んだ山川草木の間で、相当の研究を積んでいたには相違ないが、その中でも竹中半兵衛尉重治の研究に就いては、なかなかの造詣を持っているらしい。

羽柴秀吉をして、明智光秀たらしめなかったものは竹中重治である。一代の英雄のうしろには、必ず、また一代の明哲がいる。竹中半兵衛の如き明臣があらざりせば、秀吉の運命はまさしく明智光秀と、そう相距ること遠からざる運命に落ちたに相違ない。

竹中半兵衛は器量人である。名優である。しかも最も渋いところの脇師である。