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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁

青空文庫

「ナニ、姉上に?」

兵馬は附添の片柳と水島とを押し分けて、

「姿は変れどよう似てござる、念のため与八どの、この女の持物はないか、調べてくりゃれ」

「ここに短い刀が……書付が……あれ、こっちにも」

与八が拾って兵馬に手渡したのは、意外にも自分の手から机竜之助に送った果し状でありました。

次に受取った一通、

「なに、宇津木兵馬殿へ、はまより?」

これはお浜の手ずから書いたもので、そして兵馬に宛てた手紙。

机竜之助は果し合いの場へ出て来ませんでした。

果し状をつけられながら逃げるというはこの上もなき恥辱。ことに人を殺せば血を見るはずの竜之助がこの場合に、逃げ去るとは甚だ合点のゆかぬことです。

しかしながら約定の時刻にも赤羽橋へ来るということもなく、新銭座の家へ行って見れば、家の中はさんざんであるのに、子供が一人、声を涸らして泣いているばかり。手を分けて行方をさがしたけれどもわからず、これがためにその日の果し合いは中止。宇津木兵馬は残念の余り、張り詰めた勇気も一時に砕くるの思いでしたが、ここに唯一の手がかりというのは、机竜之助が芹沢鴨に宛てた書面一通を発見したことで、その中に、