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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁

青空文庫

五

りゅうりゅうと片手で振った樫の棒に、仲裁無用の定規を破らせたことであります。

五

竜之助と、薩州の壮士と、棒を持った変人と、三人の姿を山科の奴茶屋の一間で見ることができました。三人まるくなって、酒を酌みかわしながら、薩州の壮士曰く、

「不思議な流儀もあったもんじゃ、えたいが知れん、俺も一刀流の道場はたんと廻ってみたがな」

棒を持った変人は竜之助に代って、

「うむ、この人の剣術は一流じゃ、てこずらぬ者は珍らしいよ、関東の剣術仲間では音無しと名を取ったものでござる」

「なるほど音無し、音無しに違いはない、なんにしても珍らしい、関東には変ったのがある、ハハハハ」

高く笑う。

「西国にもずいぶん変ったのがござるようじゃ、貴殿のお差料などもその一つ」

「うむ、これか」

壮士は、座右の長い刀を今更めかしく取り上げて、

「主水正正清じゃ」

「拝見致す」

型の如く鞘を払って、つくづくと見る、相州伝の骨法を正確に伝えた薩摩鍛冶の名物。竜之助もまた傍からじっと見て、

「なるほど」

「国の習いで、抜けば鞘を叩き割るのが、血を見ずに鞘へ納まったは今日が初め、まあ仲裁ぶりに愛でて不祥するわ。