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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁

青空文庫

ここで私共があなた様をお見かけ申したが運のつき、どうか、兵馬様と尋常の勝負をなすって上げてくださいまし、お願いでございます」

「尋常の勝負?」

竜之助は苦笑いして、

「その兵馬とやらはいくつになる」

「ことし十七でございます」

「勝負はいつでも辞退はせぬ故、まず当分は腕を磨くがよかろうとそう申してくれ」

十七の小腕を以て、我に尋常の勝負を望むとは殊勝に似て小癪である。

「いやいや、勝負は時の運と申します。兵馬様とて、まんざらの腕に覚えがなければ、敵呼ばわりは致しますまい」

七兵衛は笠をとりながら、

「兵馬様は、ただいま八木の宿におられまする、これより八木の宿までは八里もござりましょう、私は一時が間に、そこまで御注進に上りまするほどに、あなた様にも武士の道を御存じならば、それまでこれにお控え願いたい。引返してお立合い下さるならば、八木、桜井、初瀬の河原、あのあたりで程よき場所を定めて、晴れの勝負を願いたいものでございます」

七兵衛はジリジリと押しつめるように竜之助に返答を促したが、竜之助は取合わず、

「勝手にせよ」

腮で馬子に差図して静かに馬を打たせようとする。