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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁
それを嗣いだのが忠明以来の高弟亀井平右衛門忠雄で、これがまた伊藤を名乗る。忠雄の次が新たに溝口派の名を残した人、溝口五左衛門正勝というものであります。
武蔵国秩父小沢口の住人逸見太四郎義利は、この溝口派の一刀流を桜井五助長政というものに就いて学び、ついにその奥義を究めて、ここに甲源一刀流の一派を開き関東武術の中興と謳われたので、逸見利恭は、その正統を受けた人ですから、机竜之助の剛情我慢を見兼ねて控えろと抑えたのは当然の貫禄があります。
「検審に向い近ごろ過言なり、早々刀を引き候え」
逸見を囲んでいた門下の連中は、一方には宇津木文之丞を介抱する、その他の者は刀に手をかけて、眼を瞋らして竜之助を睨んで、いざといわば飛びかからん気色に見えます。
竜之助はこの体を見て、例の切れの長い白い光のある眼の中に充分の冷笑をたたえて、なんともいわず身をクルリと神前に向けて一礼し、左手に幔幕を上げてさっさと引込んでしまいました。
宇津木文之丞の面上に受けた木刀は実に鋭いもので、ほとんど脳骨を砕かれているのですが、さすがにその場へ打倒れる醜さを嫌い、席まで飛び込んで師の蔭に打伏したが、その時はモウ息が絶えていたのです。