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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁
その声を聞きつけると、武士はズカズカと萩原街道の方へ進んで、松の木立から身を斜めにして見おろすと、羊腸たる坂路のうねりを今しも登って来る人影は、たしかに巡礼の二人づれであります。
「お爺さん――」
よく澄んだ子供の声がします。見れば一人は年寄で半町ほど先に、それと後れて十二三ぐらいの女の子――今「お爺さん」と呼んだのは、この女の子の声でありました。
右の二人づれの巡礼の姿を認めると、何と思うてか武士は、つと妙見堂のうしろに身をかくします。木の上では従前の猿が眼を円くする。
「やれやれ頂上へ着いたわい、おお、ここにお堂がござる」
年寄の方の巡礼は社の前へ進んで笠の紐を解いて跪まると、
「お爺さん、ここが頂上かい」
面立の愛らしい、元気もなかなかよい子でありました。
「これからは下り一方で、日の暮までに河内泊りは楽なものだ、それから三日目の今頃は、三年ぶりでお江戸の土が踏める――さあお弁当をたべましょう」
老爺は行李を開いて竹の皮包を取り出すと、女の子は、
「お爺さん、その瓢箪をお貸しなさい、さっきこの下で水音がしましたから、それを汲んでまいりましょう」
「おおそうだ、途中で飲んでしまったげな。