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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁
「これこれ、静かにしろ」
と大きな声でしかりつけました。
二十七
道庵が、寝ながら頭の寒いことを感じ出したのは、今晩に始まったことではなく、つまらない一時の感激から、額をそり上げてしまったことを、今も悔いているのです。というのは、松本の芝居小屋で、川中島の百姓たちが大いに気焔を上げたのを見て、急に武者修行をやめて、百姓になる気になり、茨木屋の佐倉宗五郎気取りで、すっかり百姓風に納まったはいいが、久しく総髪でいた頭を、おしげもなく剃り上げてみると、そこから風がしみ込んでたまらないのです。ことに木曾街道へ来てから、木曾の山風が、夜寒の枕を動かそうという時なんぞは、つまらない道楽をしたものだと頭へ風呂敷をかぶせながら、眠りにつくような有様なのであります。
今も、その官能的な鄙歌を叱りつけてから、ゾッとその寒さを心頭から感じて、あわてて枕もとの風呂敷を取って、その頭からかぶせてしまい、そうして道庵並みに軽い旅情というようなものに動かされて、こし方、行く末というようなものが上っ面へのぼって来たところであります。
前例によって、松本を出でて以来の道庵主従の旅程を挙げてみると、