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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁
尋ねられるほどの人がここにいるか、もし目ざされるとしたら、われわれこそとりあえず、その最も注意人物でなければならぬ。
そうでなければ、いわゆる、狐狸というようなお愛嬌者が、型の如く人間を笑わせに来たのか、ともかくも、相当の心持であけてみる必要がある。ガラリ(戸をあけた音)――
「これはこれは、不時におたずねして済みませぬ」
それは存外穏かな、まだ若い旅のさむらい。
四
宇津木兵馬は、北原賢次に案内されて、例の炉辺までやって来ました。
そこで池田良斎に引合わされ、北原賢次にも改めて挨拶をする。
少しばかり話をしてみた時に、兵馬が、これがこの宿の主人か知ら、宿の主人ではあるまい、と感じました。
それにも拘らず、二人は今、炉にかけた鍋の中から、熟した甘藷を箸でさして突き出して、盆の上に置き並べ、
「さあ、珍しくもありませんが、一つ召上れ」
と兵馬にすすめました。これはふかしたての薯ではありません、ゆでたての薯であります。
珍しくないと、主人側はことわったけれど、この場所では、非常な珍しい物であるのみならず、かなり飢えていた兵馬にとっては、美快なる食慾をそそるに充分でありましたから、やがて辞儀なしにその薯を取って食べました。