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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

「左様、わしが眼にもどうやら……」

「向うへ廻ってよく調べてみましょう」

一旦、板橋を渡りきって七兵衛は、岩の間を飛び越えてそこへ行って見る。

「宇津木様、この辺でございましたな」

「そこへ真直ぐに手を伸ばせば……」

「それではこの棒で突き出してみますから、そちらで受けて下さいまし」

岩の間に淀みもせず流れもせず、ふわりとしていたものを七兵衛が上から棒で突き流すと、兵馬の足許へ流れて寄ったのは、

「おお、たしかに人の片腕」

「なるほど、人の片腕に違いございませんな」

七兵衛はその片腕を棒の先で砂洲の上へ掻き上げて、腕を一見すると、意味ありげな笑い方。

「こんなことだろうと思った」

兵馬にはその意味がよく呑込めないでいると、

「宇津木様、図星でございますよ」

「図星とは?」

「この通り、御覧下さい、この腕に二筋の入墨がございます、これがさいぜんお話し申し上げた、甲州入墨でございます」

「なるほど」

「どうか、スパリとこの腕をやった切口をよく御覧なすって下さいまし、斬手がどのぐらいの奴だか、それをよく御覧なすって下さいまし」

「ははあ」

兵馬は篤とその切口を見る、手は右の二の腕から一刀に。