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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

「それとは存じませず失礼を致しました、お忘れなく御贔屓下されまして、かさねがさね有難う存じまする」

「それでよろしい、ここへ来て盃を受けてくれ、そして久しぶりであの間の山節をまた一曲聞かせてもらいたい」

「恐れ多うございますからこちらで」

「なぜそのように遠慮をする」

敷居より内へは入らないお君、それをもどかしがって神尾主膳は畳を叩く。

「あの、お座敷では恐れ多うございますから、お庭先で御機嫌を伺った方が、手前の勝手にござりまする、あの古市で致しました通り、このお庭で御挨拶を申し上げましょう」

「なるほど、古市では座敷へ上らずに、庭へ莚を敷いて聞かせてくれたな。しかしそれはあの土地の慣例であろう、ここへ来てまでその慣例を守ろうとは愚かな遠慮」

その時に、この庭の石灯籠の蔭で人の気配がするのを、神尾主膳は早くも見咎めました。

八

金助と離れた役割の市五郎は、ひとりで、例の女軽業の見世物小屋の前までやって来ました。

「なるほど、これが評判の女軽業か、ひとつ見てやろう」

懐手をしてヌッと、木戸番の前を通り抜けようとして木戸を突かれました。木戸番も役割とは知らなかったものか、それとも知っていながら面が憎かったものか、とにかく、市五郎がヌッと懐手で中へ入ろうとするのを押えてしまって、