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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

からのことじゃ、それではいつまで経っても議論の尽きよう道理はござらぬ、なんとそれをひとつ、実地に験して御覧あってはいかがでござるな」

こう言い出すと、一座はなるほどと思いました。なるほどとは思ったけれど、

「実地に験してみると言ったところで……」

それはなかなか容易な実験ではありません。やはり空想にひとしいものだとあきらめているらしいが、神尾だけは何かの当りがあると覚しく、

「幸い、拙者がその実験に恰好な犬を一頭所持致しておる、その犬は精力あくまで強く、打ち殺しても死なぬ犬じゃ、時によっては十日や二十日食わずとも意気の衰えぬ猛犬である、その犬をおのおの方に試験として提供致そう、ひとつ生皮を剥がして御覧あってはいかがでござる」

「それは近頃の慰み……」

と言うものもありました。よけいなことと眉を顰めるものもありました。言い出した神尾がかえって乗気になって、

「そうじゃ、近いうちおのおの方はじめ有志のお方に、躑躅ヶ崎の拙者屋敷へお集まりを願おう、その庭前において右の犬を験させて御覧に入れたい、これも一つの学問じゃ」

神尾が進んでその実験を主唱して、それがために日を期して躑躅ヶ崎の神尾の屋敷へ、多くの人が招かれることになりました。