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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

六

のお方にはできません、やはり苦労人でないと……」

「なるほど」

兵馬は苦笑いをしました。

「そのくらいですから銭は残りません、いつでも貧乏をしていらっしゃるが、ああいうお方に、金を持たして上げたいものでございます、ほんとに金が生きるんでございますけれど、使い道を知っているところへは、金というやつは廻って参りません、因業なやつでございますねえ」

六

その後暫くあって、染井の藤堂の屋敷と、染井稲荷との間にある旗本の屋敷の、久しく明いていたのに人の気配がするようです。

「ああ、化物屋敷に買い手がついたな」

酒屋の御用聞の小僧なんぞが早くも気がつきました。

地所が広く、家が大きく、そうして人の住みてのないところは化物屋敷になる。化物が出ても出なくても、化物屋敷であります。どうしても化物が出なければ、人間の口が寄って集って化物をこしらえてしまいます。

先代の殿様が、醜男であったにも拘らず、美しいお女中を口説いたところが、そのお女中には別に思う男があって靡かない、それで殿様が残念がって、あの土蔵の中で弄り殺しにしてしまったという、あんまり新しみのない筋書の化物が出されてから久しいこと。