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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁
ようやくこのごろ、人の臭いがするようになったらしいが、土地柄だけに、それほどに新たに移って来た主人の好奇を注意してみようという者もありません。
「小僧、酒屋の小僧」
「へえ」
閉してある裏門の中から、御用聞の小僧が不意に呼び留められたものだから仰天して、
「あ、お化け……」
と言って立ち竦んでしまいました。
「明日から酒を持って来い、一升ずつ、上等のやつを」
「へえ、畏まりました、毎度有難うございます」
御用聞の小僧は丸くなって駈け出して、駒込七軒町の主人の店まで一散に逃げて来ました。
「大変……化物が酒を飲みたいってやがらあ」
唇の色まで変っていたから、番頭や朋輩の小僧どもも、気味悪く思ったり、おかしく思ったりして、
「どうしたんだ、どうしたんだ」
「あの化物屋敷で、明日から一升ずつ、上等のお酒の御用を仰付かりました」
「化物屋敷でお酒の御用?」
次に廻るべき小僧が再び確めに行った時に、ほぼその要領を得て帰りました。それは化物屋敷ではあるけれども、酒の御用を言いつけたは化物ではない。前に言いつけたことが確かであるように、再び念を押しに行った時も、確かに注文したに相違ないのであります。