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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

「酒井様のお見廻りがおいでになった、それ、御巡邏隊がおいでになった」

なるほどそこへ現われたのは、当時市中取締りの酒井左衛門尉の手に属する巡邏隊の一組です。

それを見ると、茶袋の歩兵隊の中からまたしても鉄砲の音が聞え、楼々店々の畳を担ぎ出して、それを往来の真中へ積んで楯を築くの有様でありました。しかしながらこの騒動はやがて静まって、酒井の巡邏隊が万字楼の前を固めた時分には、もう米友の空に舞わしていた梯子も見えなくなったし、道庵も倒れてはいないし、あんぽつもどこへか取片づけられていました。

万字楼の前が、人の出入りができるようになった時分に、例のあんぽつがまた家の中から舁き出されたが、それを担ぎ出したのは、前の酔っぱらいの駕籠舁とは違った屈強な駕籠舁で、その駕籠わきに附いて行くのが宇治山田の米友で、どういうつもりか、例の二間梯子をそのままにして手放すことをしない。

廓内を出たこのあんぽつは、下谷の長者町の方角を指して行くものらしいから、してみればこの駕籠の中は当然、主人の道庵先生であるべきはずなのに、その当人の道庵先生は、やや正気に立返って、万字楼に踏みとどまっているのであります。