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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

十七

「エイ!」

覆面の辻斬の狼藉者の一声が、氷の上を走るように聞えました。それと同時に血煙が立って、かわいそうに遠藤老人は、槍を投げ出して二つになってそこへのめりました。

十七

その翌日、弥勒寺橋の長屋の中で、

「さあ、お飯が出来たよ」

と二枚折りの屏風の中を見込んだのは、宇治山田の米友であります。

「どれ、起きようかな」

屏風の中で、蒲団から半身を起したのは机竜之助であります。以前よりはまた痩せて、色は一層の蒼白さを加えているもののようです。

「どうもよく寝られるじゃねえか、俺らなぞは、宵のうちは早く寝て朝は早く起きてえんだが、お前は宵に寝て朝もまた寝て……もっともお前には、夜の明けるということはねえんだろうな」

と言って米友は苦笑いしました。

「友吉どの、いろいろとお世話になって済まんな」

竜之助は、まだ全く起き上りはしません。

「お世話になるのならねえの、そんなことはどうでもいいが、俺らはちっとばかりお前に聞きてえことがあるんだ」

「何を……」

「何をじゃねえんだ、こうして見ていると俺らには、どうもお前の仕方に合点のゆかねえことがあるんだ」

「合点のゆかないこと、なにもこれほど世話になっているお前に、迷惑をかけるようなことをした覚えはないつもりだが」