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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

「そう改まって給仕には及ばん、そなたもここで一緒に」

甚三郎は、強いてお角にすすめて、一緒に夕餐の膳に向いながら、

「人間の一芸一能は貴い、そなたの仕立てた芸人たちの業を、そのうち一度見せてもらいたいものじゃ」

真顔になって、こんなことを言い出しましたから、お角もおかしくなって、

「ねえ……殿様」

思わず膝を進ませると、

「殿様と言っちゃいかん、昔は殿様の端くれであったかも知れんが、今は船頭だ」

「では、何と申し上げたらよろしうございましょう」

「駒井とでも、甚三郎とでも勝手に」

「駒井様、駒井の殿様……なんだかきまりが悪うございますね。駒井様、そんなことを申し上げると口が曲りそうですけれど、わたしたちには、どうしても、あなた様の御了見がわかりません」

「わからんことはあるまい、浪人して詮方なく、こうしているまでのことじゃわい」

「どうして、あなた様ほどのお方が、これほどまでに落魄れあそばしたのでございましょう」

「自分が悪いからだ」

「殿様……また殿様と申し上げました、あなた様のようなお方に、お悪いことがおありなさるのですか」

「なければ殿様でおられるのだが、あるからかように落魄れたのだ」