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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁
中には光がありませんでした。そのはずです、中にあった光は、高くあの六角燈籠の上へうつされているのですもの。その光をうつさんがためにこうして、トボトボと十町余りの山道を杖にすがってやって来たのですから、今はその亡骸を提げて再び山へ戻るのが、まさにその本望でなければなりません。
「え、何ですか、どなたか、わたしをお呼びになりましたか」
前に腰板へ立てかけておいた金剛杖を、再び手に取ろうとして盲法師は、また聞き耳を立てました。これがこの盲法師の癖かも知れません。誰も呼ぶ人はないのにまず自分の耳を疑わないで、あてもないところを咎め立てしてみるのは、今に始まったことではありませんでした。金剛杖は手に持ったけれども、やはりその場は動かないで、怪しげな頭を振り立てて、前後左右の気配をみているようです。
しかしながら、ここは前と違って、あたりに大木もなければ人家もありません。往来の山道よりは少し離れて高く突き出したところですから、わざわざでなければ、この夕暮に人が上って来ようとは思われないところです。
それにもかかわらず、盲法師はその人を見つけたかのように、いったん手に取った金剛杖をまたもとのところへさしかけて、