輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁

青空文庫

十二

これが伯耆の安綱でありましょう。この時の安綱は、まだ鳥越の甚内明神へは納めないであったものと見えます。甚内様へ納める代りに、お角の手に預けて、その後の幕を見ようともしない七兵衛は、この小屋を立ち出でてどこへ行くかと見れば、品川へ出て、東海道を真一文字に走せ上ります。

十二

お松が、ひとりで気を揉んでいるのみではなく、宇津木兵馬のこの頃は、誰が見ても変ってきたことがわかります。

第一は金銭に困っていること、第二は外へ泊って帰ることが多いこと、この二つは近来になって、ことさらに眼に立つようになりました。

それを、誰よりもいちばん早く見て取ったから、お松の気を揉むのは無理のない話です。

宇津木兵馬はこのごろ、吉原通いが面白くなりました。

あの時のように、東雲と二人で碁を打っているだけでは納まらなくなりました。東雲が勤め気を離れて兵馬を可愛がるようになると、兵馬の心が漸く熱くなってゆきました。

兵馬の傍にはお松という者もあり、お君のような美しい女もいるのに、兵馬はそれに心を取られることがありませんでした。

京都にいた時も、新撰組の連中と島原界隈にずいぶん出入りもしたけれども、ついぞ、その道に溺れるということがありませんでしたのに、ここへ来て東雲に打込むようになったのは、全く思案のほかと言わなければなりません。