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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁

青空文庫

手前、生国と申しまするは、出羽は庄内、酒井左衛門尉の城下十四万石、伊豆屋甚兵衛の娘お柳と発しまして……」

「ばかにしてやがる」

がんりきがここに至って吹き出しました。吹き出したけれども剣呑は剣呑です。誰かこんな奴を使って、碌でもない文句を吹き込んで、おれの度胆を抜こうとした奴がある。誰というまでもなく、それは南条先生のいたずらに違いないと思うから、ばかばかしくなってその遊び人の面をじっとながめました。

じっとながめられてもこの先生、あまりお感じがないようです。

「兄い、お前は男だと思ったら女なのかい、酒井様の御城下でお柳さんというのはお前のことかい」

がんりきは呆れてこう言いましたけれども、その男はがんりきが呆れたほどに呆れはしません。あっけらかんとしているところは、どうしても誰かに知恵をつけられて、一夜づくりの言葉手形を濫発したものに違いないのです。

その男が、あっけらかんとしている途端に、四辺の稲叢のかげから、同じような程度の遊び人体の(旅装の)男がのこのこと出て来ました。

「エ、これは、がんりきの親分様でございましたか、御免なさんせ、斯様、土足裾取りまして御挨拶失礼さんでござんすが、御免なさんせ、向いまして上さんと、今度はじめてのお目通りでござんす、自分、武州は青梅宿、裏宿の七兵衛の一家、若い者八助と発し