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おおさかをあるく
大阪を歩く
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《大阪を歩く(おおさかをあるく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,964 字 · 65 頁
それから、私は、山を下って、動物園へ出るのである。動物園の園長、燈台守、測候所の人々などという位、真面目で、熱心な人はない。林氏にしても、上野の黒川氏にしても、本当に、仕事への情熱と、愛とをもっている。猩々が死にかけたら、きっと、園長は徹夜するだろう。そして猩々を抱くだろう。美術館の予算なんてものは、動物園へ皆やるがいい。そして、公園中を動物園にして、羊と、兎と、小鳥とを開放して、子供と遊ばせるがいい。私が子供であった時には、遊ぶ所が無くて小橋で貝を掘ったり、横掘のストリート婆を竹でつつき出したりした。だから、こういう碌で無しになったのだ。
雨
私は、とうとう大阪を歩かなかった。これは、題名にも反くし、私自身の意志にも反く訳であるが、歩こうとする今日九日の日が、雨になった。そして、翌日には、私は、東京へ戻らなくてはならぬ用がある。十一日には放送があるからだ。
何うも私は女より雨の方が少しばかり嫌いだ。愛人と温泉宿にでも居る時には、そうした雨も決して悪くないであろうが(ここで、あろうがと疑問を残しておいたのは、そうした経験が一遍も私にはないからである。