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てんのう
天皇
蜷川 新
線上閱讀蜷川 新《天皇(てんのう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 頁
僕は一両日中には、ふたたびオーストリアへまいり、十月中旬ごろまで滞在のつもり。それからまた、ベルリンへ廻る予定です。その他のことは、後便にゆずります。頓首
明治十五年九月六日
フランス国、パリーにて 博文
松方賢台」
この手紙によれば、伊藤は、英仏人のとなえる自由、人権、平等などは、憎悪すべき思想であると思いこんでいたことがわかる。そうして、ドイツ風の君権万能主義を崇敬し、それに模倣することを、決意していたことが、よくわかる。人民の福祉や人権などは、まったく、彼の眼中にはなかった。ただ天皇をかついで、天皇に絶大の権力をもたせ、それによって、自己の利益を確保しようと企てた策士であったことも、明らかである。日本における多くの民権主張者らをさして、あたかも浮浪の徒のごとくにののしり、また多年の友人であった大隈にたいして、つとめて、侮辱の言をつらね、「その未来を憐れむ。」などというにいたっては、真に軽薄の小人であったことを示している。
それは、この伊藤のみではない。およそ、当時の明治政府の人びとは、この種の策士のみであったのである。これらの悪策士がいたために、天皇が神明に誓われた、五箇条の誓文は、一片の反古となった。