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ふじんのどくしょ
婦人の読書
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《婦人の読書(ふじんのどくしょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,784 字 · 8 頁
わかったばかりでなく、我が身にそえてそれを噛みしめ、判断し、影響として深くうけいれて、必然を目ざまされたら生活がそのことによって流れをかえることをおそれなかった。その意味で、この時代の一部の婦人の読者は、実に我ままでなかったと思う。意識しない伝統のおもりや歪みが、自分のなかでどんなに判断の現実の比重を狂わせているかをさえ心づかぬままの素朴な純真さで、彼女たちの善意が発露のみちを求めたのであった。
読書というものに向うそういう生活的な態度は、ちかごろ新しくふえた若い婦人の読者の間に、なにか形を変えつながれ貫いているだろうか。見かたによればやぼったく、しんから求めるもののある何かの感情で本が手にとられているのだろうか。
女学生たちが、文学書なんかの棚の前で示すこの頃の対商品、対消費物めいた態度については、ほとんどすべての人が憂いと嫌悪とをもって語っている。文学を生み出してゆくものの側からこういう状態をみると、文学作品にたいする感情が婦人雑誌なみのところでひろがってきている点が問題であると思える。婦人の読者という側からみれば、今日は、きのう、おとといの女と自分たちの現実の低さはけっして劣るともまさっていないのに、青春の感覚のなかでそれに抗議する敏感さがうしなわれていて、むしろ恣意的な傾向があらわれて来ていること