輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《季節のない街(きせつのないまち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,379 字 · 394 頁

青空文庫

「どでどで、どでどで、どですかでん」

これは交叉する線路の四点の継ぎ目を、電車の前部車輪四組と、後部四輪とが渡る音であった。

突然、前方に不注意な通行人があらわれる。六ちゃんは足を停めて、右足の爪先で地面を叩きながら、がんがんがん、と警告のゴングを鳴らす。不注意な通行人は気がつかない。線路の上をまっすぐにこっちへやって来る。こういうのは殆んどよその町の人で、六ちゃんのことを知らず、六ちゃんの運転している電車や、その線路も見えないのだ。

六ちゃんは驚いてまっ赤な顔になり、慌ててけんめいに停車操作にかかる。

「あぶないぞ」

六ちゃんは喚きながら、左手でコントローラーをがちゃんとゼロに切替え、右手でブレーキのハンドルをぐるぐると、ありったけの力で廻し、上半身を反らせてうーっと緊めあげる。口でききき、とブレーキの緊る音をまね、その電車はかろうじて停車する。

「あぶないじゃないか」

六ちゃんは車窓から首を出し、赤く怒張した顔でその不注意な通行人を叱りつける。

「電車にひかれるじゃないか、電車にひかれたらどうしようもないじゃないか」それからしんけんな眼つきで睨みつける、「線路をあるくのは違反なんだ、田舎者はそんなことも知らないんだからな、ほんとに、気をつけなくちゃ困るじゃないか」