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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《季節のない街(きせつのないまち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,379 字 · 394 頁
うってよ」
「それでまた中折れになったが、あっしゃあ気分をととのえて、やっとこ取直しにかかった」と徳さんは続けた、「ところがいけねえ、ホームストレッチにかかろうとするとたん、またくに子のやつがねえあんたときた、それがまたとんでもねえ、首をくくるのと身投げをするのと、鉄道自殺をするのとどれがいちばん苦しむだろうときた、えっ、そのときあっしがどんな気がしたと思う、たんばさん」
老人は手の甲で口を押え、それから呟くような声で、その、ホームスとかってのはなんのことか、と反問した。徳さんはそんなことは耳にもはいらないらしい、たいそう深刻な眼つきで、あたかも老人に責任でもあるようなふうに老人の顔を凝視した。
「あっしゃあねえ、胃袋がここんとこまで」彼は自分の喉を指さした、「――このへんまでとびだしてきたように思ったよほんとに、ほんとだよたんばさん」
「あっしもがまんが切れた」と徳さんはすぐに続けた、「こんなことを放っといちゃあ一家のおさまりがつかねえ、そうでしょう、だからあっしゃあ起き直って、この際なんだってそんなことを考えだすんだ、いまやってることと、首っくくりや身投げや鉄道自殺となんの関係があるんだ、ふざけるなってよ、――くに子のやつあ考えてた、よっく自分の胸の中を考えてたっけが、あたいがお店にいたとき、お夏ちゃんが