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うかのちょうじゃものがたり
宇賀長者物語
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《宇賀長者物語(うかのちょうじゃものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,427 字 · 19 頁
た隻手がやっと支えていたじゃないか、俺は吃驚して体の位置を変えたが、今度見るともう女子は見えなかった、俺はそれから女の許へ往ったが、その女子のことが頭に一杯になっているので、女の詞がおりおり耳に入らないことがある、(どうしたの、睡いの)と云って、女は俺の体を揺ったりした、翌晩、俺はまた岬の下へ往って、昨夜の女子はいないだろうかと思って、その辺を見廻したが、もうその晩はいなかった、俺は、一時あまりもそこに立っているうちに、女の許に往くのが厭になったので、そのまま引きかえそうかと思ったが、それもなんだか、心残りがするので、また女の許へ往くと、(お前さんは、人魚を見やしない)と女が云うじゃないか、俺はなるほどあの女子は人魚だと思ったが、他人に知らすのは何か知ら大事の秘密を漏らすような気がして恐ろしいので、(そんなことはない)と云って黙っていた、すると女が、(ほんとに人魚を見やしないの、人魚を見ると世の中の女子が厭になって、どこかへ往ってしまうと云うよ)と云うじゃないか、俺はあの人魚といっしょならどこへ往っても好いと思ったが、それが俺の過りであったよ、その翌晩になると、俺はまたふらふらと岬の下へ往ったが、未だ月が出ていないので、巌に腰をかけて待っていた、併しその時は、もう三人の人買が背後の巌陰にかくれている時で