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うかのちょうじゃものがたり

宇賀長者物語

田中 貢太郎

線上閱讀田中 貢太郎《宇賀長者物語(うかのちょうじゃものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,427 字 · 19 頁

青空文庫

※(ローマ数字6、1-13-26)

※(ローマ数字6、1-13-26)

長者の一行は漸く伊勢に着いて、先ず外宮に参詣しました。白木の宮柱に萱葺の屋根をした素朴な社でありました。一の華表を潜ったところで、驕慢な長者は大きな声をだしました。

「お伊勢様、お伊勢様と云うから、どんなものかと思えや、俺の家の納屋ほどもないじゃないか」

宇賀の老爺の耳にも、不敬なその詞が入りました。宇賀の老爺は恐れて耳をおおいました。

「老爺どうじゃ」と、長者は揮り返って宇賀老人を見て云いました。

老人は恐ろしくて返事をすることができませんでした。

内宮へ参詣した時にも、長者は外宮のような不敬な詞を繰返しました。

「なんと云う乱暴な詞だろう」と、宇賀老人は長者の詞を悪みました。

修験者は長者の家へ忍び込んで来て、女の寝室の方へ歩いておりました。

その時女と壮い男は、几帳の陰でひそひそと話しておりました。切燈台の燈は淋しそうに燈っておりました。

寝室の口に立った修験者は耳を聳てました。几帳の陰の話は、生暖かな夜の空気に融け込んで艶めかしく聞えました。修験者は狂人のようになって駈け込みました。

女と壮い男がとり乱した姿をして、燈火の光の中に出ました。