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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第二巻(えいがじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 頁
これは、数年前、同種元素の原子に個性の存在を暗示したウィリアム・ソディの説に示唆されてから考えた事であったが、今になって考えてみるとこの私の考え方は全然ルクレチウスのここの考えを、知らずに踏襲したものとも言われるのである。
自然の漸進的死滅を救いうべき「選択原理」の有無について前章に述べた事をここで再び繰り返し考えてみると、私はこのルクレチウスの元子の任意志的偏向のうちに、その求むる原理の片鱗のごときものを認めうるのではないかと思うのである。
さて元子の形状や大きさはどんなものかという説明に移る前に、これらの元子の種別の多種多様である事を述べている。この種別に関しては、現今では有限数の元素を区別するが、同一元素のすべての原子はすべて同等であるごとく考える。もっとも化学の方面では炭素原子の種々の化合価を有するものを区別し、またスペクトルの物理では同元素原子の種々の素量的状態を区別するが、そういう変態はどの原子にも共通に可能と考えるから、結局同元素原子には個性を認容していないことになる。しかるにルクレチウスの言葉から判断すると、人間がめいめいに異なるごとく、羊と羊とが異なるごとく、全く同一なる元子は一つもないと考えているらしい。