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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 頁
動物学の書物にナマケモノという動物があるが、あれがおおぜいのたうち回っているのだというような不思議な印象を受けただけであった。毎日こういう生徒を相手にしているのでは、ウンラートでなくても、どこか他に転向の新天地が求めたくなるであろうという気がするのであった。
映画では、はじめにウンラートの下宿における慰めなき荒涼無味の生活の描写があり、おまけにかわいがって飼っていた小鳥の死によって、この人の唯一の情緒生活のきずなの無残に断たれるという場面が一種の伏線となっているので、それでこそ後にポーラの楽屋のかもし出す雰囲気の魅力が生きて働いてくるように思われるが、この芝居には、そういったようなデリケートな細工などは一切抜きにして全く荒削りの嘆きの天使ができあがっているようである。同じようなわけで、後に教授が道化役になって雄鶏の鳴き声をするのでも、映画のほうではちゃんとしたそれだけの因縁が明らかにされている。それは、ポーラとの結婚を祝する座員ばかりの水入らずの宴会の席で、ポーラがふざけて雌鶏のまねをして寄り添うので上きげんの教授もつり込まれて柄にない隠し芸のコケコーコーを鳴いてのける。