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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 頁
俳句の型式とその進化
三十年ほどの間すっかり俳句の世間から遠ざかって仮寝をしていた間に、いろいろな「新型式俳句」が発生しているのを、やっとこのごろ目をさましてはじめて気がついて驚いているところである。二十二字三字四字から二十五字六字というのがあるかと思うと三十四字五字というのもある。文字数においてすでに短歌の三十一文字を凌駕しているのであるが、一方ではまた短歌のほうでも負けていないで、五十文字ぐらいは普通だし六十字ぐらいまではたいして珍しくもないようである。
こういう新型式についていろいろ是非の議論もあるようである。そういう新型式を俳句とか短歌とかいう名前で呼んでよいか悪いかというような問題もあるが、それは元来議論にならない問題であって、議論をしても切りのない水掛け論に終わるほかはない。それと同様に、そういう形式の詩を作ってはいけないとか作ってもいいとかいうことも議論にならない事である。作りたい人はいくらでも勝手に作り、鑑賞したい人はいくらでも随意に鑑賞すればそれでよいわけであろうと思われる。
そういう議論のいかんにかかわらず新型式俳句というものが現に存在しており、それを主張する人と支持する人があるという事は否定することのできない事実である。