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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
線上閱讀小出 楢重《小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 334,351 字 · 657 頁
その間私たちや母は食膳を見つめている訳だった。
それが正月であると、子供時代のは長く待たれた新春であるが故に、元旦は暗い四時というに私は興奮して目を醒してしまう。そして暗く静かなそのころの堺筋へ出て夜半と元朝の心ちよく冷たい静寂の空気を味わうのであった。ところがなかなか父が起きて来ない。ゆっくりと起きて、そしてあの神様を拝んでいては夜が明けてしまうではないかと思って、私は一人やきもきして、大人の神経の鈍さを嘆いて見たことであった。
漸くにして長い元旦の経文は常の三倍位はあるのだが終りを告げると、父は「さあ祝います」というと、丁稚、番頭、女中、悉くが集まってくる。すると「元日やきのうの鬼が礼に来るか、よういうたあるなあ」と父は感心するのだ。これは毎年定って父の感心するレディメードなのだ。元旦は相変りませずということがいいそうだから、多分父も相変らず一度いったことを毎年継続しているのかも知れない。
腹の中が雑煮で満たされた時分、障子の細目が明るくなって、電燈が消えるのだ。私は洋服をきせてもらって、紅白のまんじゅうをもらいに、学校へ行く。二十四孝の描かれた屏風、松竹梅、赤い毛氈、親類の改まった顔等、皆正月を正月らしくする画因であった。