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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
線上閱讀尾崎 士郎《尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 頁
月光の反射のために瀬川君の眼がうす気味悪く光った。南里君は自分の頬の筋肉がかたくなったのを感じた。一つの情景があわただしく彼の頭をかすめたのである。小さな炉をかこんで、正面におじいさん、その横におばあさんと娘とが並んで坐っている。――彼は鈍い電灯のほかげの中に、一つの欲情のために燃えている娘の悩ましい瞳をさぐりあてると急に不安になった。
あの娘は近いうちに、きっと誰れかほかの男に誘惑されて寺を逃げだすにちがいない。――そういう予感が南里君の胸に犇々と来た。
娘のいない古寺の台所が荒涼として彼の幻覚の中に現われてきたのである。