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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《怪しの館 短編(あやしのやかた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 81,915 字 · 165 頁
あなたの家の人達のことで。……あれほど悲鳴を上げられたのに、出て来られぬとはどうしたもので」こうはいったものの馬鹿らしくなった。(そんなことどうだっていいではないか。こっちにかかわりあることではない。先様のご都合に関することだ)「では送るにも及びますまいな」(あたりまえさ!)とおかしくなった。(十足もあるけば家の中へはいれる)「ご免」といいすてるとあるき出した。(どうもいけない、儲けそこなったよ)
だがその時娘がとめた。「どうぞお立ち寄りくださいまし。お礼申しとう存じます。あの、父にも申しまして」それから門をトントンと打った。「爺や爺や、あけておくれ」
「ヘーイ」と門内から返辞があって、すぐ小門がギーと開いたが、「お侍様え、おはいりなすって。……さあお嬢様、あなたからお先へ」
「はい」と娘、内へはいった。「どうぞお立ち寄りくださいまし」これは門内からいったのである。
結城旗二郎いやになった。「『爺や爺やあけておくれ』『ヘーイ』ギー、門があいて、『お侍様えおはいりなすって』これではまるで待っていたようなものだ。おかしいなア、どうしたというのだ、薄っ気味の悪い屋敷じゃアないか」