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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《悪魔の紋章(あくまのもんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,280 字 · 301 頁
それに、何も正面の入口から入らなくても、この場面のすぐうしろから、テントの裾をまくって忍び込めば、訳はないんだからね」
「早速、川手さんと中村係長に知らせなければなりませんね」
「ウン、電話をかけることにしよう。……だが、小池君、ちょっと待ち給え。さい前渡された二枚の紙札が何だか気になるんだ。懐中電燈をつけた序に調べて置こう」
紙札というのは、例の暗闇のなかの骸骨と、叢を這い出して来た生腕とから受取った、化物屋敷通過証ともいうべき紙片である。
博士はその二枚の紙片を、ポケットから取り出し、小池助手のかざす電燈の光の中で、丁寧に調べて見た。
紙片は二枚とも同質同形で、その表面には、夫々「第一引換券」「第二引換券」と筆太に記され、その真中に「丸花興行部之印」という大きな赤い判が、ベッタリと捺してある。
二枚とも表面を調べ終ると、博士はそれを裏返して、懐中電燈の光に照らして見た。
「アア、やっぱりそうだ。君、これを見たまえ」
二枚とも、紙片の真中に、黒い指紋がハッキリと現われていた。偶然についたのではなくて、指の腹に墨をつけて、態と捺した指紋である。
博士は胸のポケットから、小型拡大鏡を出して、紙片の上に当てて見た。