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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《新宝島(しんたからじま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 頁
鰐
一郎君が思わず叫びだしますと、ほかの二人も、口々に何かわめきながら、筏の上におどり上って喜びあうのでした。
鰐
どうなることかと思った三人のいのちは、まるで奇蹟のように救われたのです。それにしても、漕ぎもしない筏が、どうして洞穴の外へ出たのでしょう。信じられないほどの幸運ではありませんか。
しかし、それは、あとになって考えてみると、何でもないことでした。つまり、三人がもうだめだと思いこんで、漕ぐことをやめてしまったのが、かえってよかったのです。あの広い洞穴の中の水は、少しも流れていないようでいて、その実は、ごく少しずつ動いていたのです、その動き方があまりのろいので、まるで感じられないほどでしたが、ともかく動くことは動いていたのです。
ですから、漕ぐのをやめてしまった筏は、そのゆっくりした水の動につれて、洞穴の出口の方へ、ひとりでに運ばれて行ったわけです。おそらく五六時間、あるいはもっとながい間かかって、とうとう出口に達し、三人の頭の上に空の星が輝くという幸運がめぐって来たのです。
「よかったねえ。もう大丈夫だよ。ここはどこだかわからないけれど、夜があけたら、上陸する場所も見つかるにちがいないよ」