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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 頁
いきおい年よりは賢しゅうなる」
「たまには、家に戻って、甘えたいことも思いましょうに」
取次の小侍が、そこへ見えてこう告げた。――お帰邸の後ですぐ、役所のほうに、ちと面倒が起ったので、夜中ではあるが、ご相談に来ました――というのである。村山仙映、池貝監物、堀越内蔵八のお三名で、と来訪者の名をもならべて、
「お通しいたしますか、それとも……?」
取次は、返辞を待った。
皆、部下の者である。可成は、考えるまでもなく、
「すぐ通せ」
と、答えておいて、やがて客間へはいった。
「何事か」
「実は」
池貝監物が、同僚に代って、自分たちの処置でゆかないために――と前提して云い出した。
「日暮れ近くのこと、これにいる堀越殿が、長良川の辺りで、一名の怪しげな武芸者ていの男を捕えて参りましたので」
「うむ」
「役所へ曳いて参るまでは、至って神妙でござりましたが、取調べにかかると、頑として、姓名も生国もいわず、ただ当所の奉行森殿に会えば申そう。怪しい者ではない。御城内の奥向きには、自分の縁故ある婦人も、清洲御在城の頃から長く勤めておる。……委細は御奉行に会わねば何事も語れぬと、こう申す一点張りなのでござる」