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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 頁
年は二十七歳だった。
――それから。
流浪の将軍家は、和田とか、六角家とかの、大名の家を、転々と身を寄せてあるいた。もとより、食客で世を過すのが目的ではない。
三好、松永の討伐。
家職と勢力の挽回。そう二つが目標であることはいうまでもなかった。
越後の上杉謙信にまで、遠く檄をとばして、援助を求めた。
行く先々の大小名へはいうまでもなく、事を謀った。
けれど、天下の大事である。松永、三好の両党は、中央の権をにぎっているし、名は将軍家といえ、義昭は、流浪の高等食客にすぎない。兵力はもとよりのこと、金力もない。また、声望も甚だないのだ。
誰しも、これは考えこむ。
孤舟は、琵琶湖を渡って、北陸へ流離した。
若狭から越前へ移って、そこの朝倉義景へ身を寄せたところ、ここに、朝倉家の家中には容れられず、不遇を喞っていた一人物がいた。
明智光秀だった。
光秀と、細川藤孝との縁は、その時に初めて結ばれたのであった。
――光秀は、藤孝と知った機縁から、この岐阜城下へ、密書を帯びて来るまでになった事情を、
「ちと、話は長くなりますが、まず其許に聞きおいて戴いて、逐一、君前までお伝えにあずかりたいのでござる。