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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
「回せッ」
号令の一下に、泥の子のようになった山県勢は、急転して、大久保の銃隊へ、
「くそうッ!」
面を伏せながら突っこんで行った。
ざ、ざ、ざッ――と泥飛沫が二千の甲冑に煙り立った。――と見るまにである! 鉄砲にあたって、そこに倒れ、かしこに倒れ、朱を噴いて叫び、馬に踏まれて呻くものが、あわれや算をみだし始めた。
そしてついに、敵なるものと、敵なるものとが、相互にぶつかった。
すでにここ十数年の兵戦変革で、いにしえの優雅なる華武者と華武者とが、遠祖は清和の流れを汲み、何のなにがしの後胤にて何処そこの住人、誰の子の次男三男なり――などと、ここを曠の戦場として名乗り合うような古雅なる戦いの風は、だいぶ士門にもうすらいでいた。
従って、ひとたび、白刃白刃を噛み、肉弾肉弾を搏つの白兵戦となると――そのすさまじさは言語に絶している。
武器は鉄砲を第一に、次は槍をもって、利としていた。
槍は刺殺につかうよりも、振りかぶったり、横に振り廻したり、撲るのをもって、戦陣の用法と教えられていた。
だから長いのが有利と見られ、二間柄から三間柄に近い長槍さえある。
雑兵は、変化に乏しく、臨機の勇に欠けているので、撲ることばかり能としていると、精悍なる練磨の士が、突如として、その中を、短槍刺撃を得意として、縦横無尽に突いてまわり