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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
齲歯
残るは――別所一族の本拠――三木城だけとなった。
こういえば、三木城へ迫るまでの戦いは、簡単に運んだようであるが、前衛の一塁一塁を陥すにも、夥しい犠牲と、猛烈な攻撃をもって、ようやく抜くことができたのである。
織田方の総兵力三万八千が、七月から攻撃を始めて、八月中旬に至ったのを見ても、いかに敵もまたよく抗戦したかがわかる。
武器の進歩につれて、刻々、必要とされて来る戦法の変革も、こう手間どる一因であった。
総じて、中国軍の兵器は、越前や北国や甲信の敵の比ではない。強力な火薬や、まだ見たこともない大鉄砲に、織田軍は初めて接したのである。秀吉としては、この敵に教えられることが多かった。敵に学びながら、敵を攻めた。
おそらく、黒田官兵衛が、奔走して、買入れて来たものであろう。旧式な石火矢や大筒を捨てて、陣前の井楼に、南蛮製の大砲を城へ向けてすえつけたのも、秀吉がいちばん早かった。
それを見て。
丹羽五郎左衛門の陣でも、滝川左近の陣でも、新鋭の巨砲を争ってすえつけた。
聞けば、こんどの中国戦を聞きつけて、遠く九州の平戸や博多あたりから、多くの武器商人が入りこんでいたらしい。