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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁

青空文庫

――一武田ごときを潰滅させたからといって、思い上がってはいけない」

「わしが意見されておるようだな。御評議の席で大いに陳べたがいい」

「いや、近頃は、多弁はちと慎んでおる。衆の中で余り多弁を振うは悪いと考えてきた」

「なぜだ。おぬしから、おぬしらしい雄弁を除くと、おぬしらしくなくなるだろうに」

「衆の席では、人各※(二の字点、1-2-22)、胸いっぱいに、いわんとする真情を抱いておる。それがし一名が多くをいえば、それだけ他の口を緘し、他の真情を圧しることになろう。――だからこれからは、いわねばならぬ時しかいうまいと思っている。それも、できるだけ言葉を簡にし、要を得て、真を訴えるに足るよう、この頃は、日常のことばづかいなどから修練いたしておる」

「いつ会っても、何か自省したり工夫したりしておるのは、おぬしの生れ性とはいいながら、敬服する。わしも見習おう。……が、いまの話の続きはどうしたか」

「むむ。鉄砲のことか」

「織田家が第一でないとしたら――そうした新武器を多量に持っている国は、やはり西国大名のうちでなければならん。毛利家か、島津家か」

「ちがう」

「ふふむ、では北国ながら、上杉謙信の領か」