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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
「こういう無理もわがままも、そもじなればこそするのではないか。そもじにはどうしてもいいと自分でゆるしているからこそ、渋い顔をしたいときは渋い顔をする。怒りたいときも怒り顔をつつまず見せる。――それが嫌なら、もっと、他人他人しくいたそうか」
などと巧く諭してしまう。
そういわれると、寧子も、女は他愛ないものと思いながらも――
「ずけずけと、怒って見せるのも、妻なればこそ。無理をいうのも、自分を妻と思っていればこそ」
と却って、良人のそうした仕方を、歓びとして、はらはらしたりするのであった。
けれど、こんどの不機嫌はすこし長い。北陸陣から帰って以来である。柴田勝家とはよほどなにか感情的に衝突をして来たらしい。そのため、主君の信長の怒りをかい、勘気をこうむっているとのことに――彼女も老母もうすうす胸をいためぬいてはいるが、女の力ではせん術もなし、また、秀吉に訊いてみたところで、
「心配せんでもよい」
と、いうだけにきまっている。
で――秀吉が無二の者としている竹中半兵衛に、陰へまわって、そっと事情をただしてみたこともあるが、その半兵衛までが、
「何の仔細もございませぬ。