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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
すると、彼の母は、
「ほう、神さまへ、お詫びをして来ましたか」
と、子の顔を見まもって、微笑んだ。
秀吉は、大真面目に、
「されば。――そしてその次には、母上にお詫びをし、女房どのにも、少しばかり、あやまろうかと存じまして」
「わざわざこれまでお越しとな……」
「はい。――という秀吉の気もちをお汲み下されたら、もう形をとって、お詫びするには及びますまい」
「この子の、狡さよ」
と、老母は、無性に笑い出して、
「わしはよいが、寧子には、真似事ほどでも、すまなんだと、いうてやってはどうかの」
「滅相もない」
と、寧子はあわてて、
「……どうしましょう、そんなことをしていただいたら」
と、ほん気になって拒んだ。
もとより家庭的な戯れにすぎない。けれど老母は、どうして秀吉が、急にそんなことをいい出して、いつにない快活な顔をここへ見せに来たか、多分に疑っていたが、まもなくその理由はすぐ解けた。
小姓頭の堀尾茂助が来て、
「ただ今、御城門へ、安土からのお使いとして、前田又左衛門様、野々村三十郎様、おふた方、お渡りでございまする。――御上使とのこと、すぐ彦右衛門どの、御案内に出られて、客殿までお請じ申しあげておりまするが」