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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
もちろん長い歴史のうちには、その政治をにぎっても、民衆の信頼を裏切った司権者はいくらもあり、すでに前室町政治のごときもそれだったが、さりとて民衆は、政治そのものを卑しめたり疑ったりはしなかった。
奉行する「人」の如何にあることを知っていた。
「政治」というその気高いことばまでが、あたら卑しい私慾の徒の表看板かのように地に堕してしまったのは、明治末期から大正、昭和初期にかけてのことで、本来の「政治」とは、飽くまで、人間の職能として、最高の善事を奉行するものでなければならない。
その職府にある大臣や高官を、あたかも無能な愚人のように揶揄したりするとき、それは小市民の諷言や皮肉味をお茶うけのように軽くよろこばせたりするか知らぬが、その時代下の民衆はかならず不幸であり不安であるにきまっている。
故に、大臣高官は、威重く、入るにも出るにも、常に燦燗とあって欲しい。民衆はそのほうが頼もしくまた安泰を感じるのである。如才ない政治家だの民衆の鼻息ばかり窺っている大臣などは、いつの世でも民衆は見ていたくない。民衆の本能は、高い廟堂にたいして、やはり土下坐し、礼拝し、歓呼して仰ぎたいものである。