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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
信長がそれをたいへん珍しがって見ていたからである。
信長は、城外へ出る時も、供人の中に、この黒奴を加えていた。京都へも連れて行った。
南蛮寺の伴天連たちは、すこし嫉妬もあって、或るとき信長にむかって訊いた。
(公には、よほど黒奴がお気に入ったとみえますな。いったい何処がよろしくてそんなに御寵愛なさるのですか)
すると信長は、即座に、
(汝らもみな同様に、目をかけて遣わしてあるではないか)
果然――これで信長の宣教師たちに対する心持は明白になった。――彼がオルガンチノを愛するのも、他の伴天連たちを見るのも、要するに、黒奴を可愛がるのと同じ意味のものだった。
それで思い出されるのは。
かつてオルガンチノが初めて信長に謁見したとき、土産物を献じた。その目録は、
鉄砲 十挺
遠目鏡 虫目鏡 八個
伽羅 百斤
虎の皮 五十張
八畳吊蚊帳
そのほか時計鐘とか、地球儀、織物、陶器などと珍しい物ばかりだった。
信長は子どものようにそれを展列させて眺めた。わけて地球儀と鉄砲とは彼の心をいたくとらえた。