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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
異郷へ鬱を慰めに来た身が、またしても苦しい思いをして、彼れはせめてゆかりのある言葉を聞こうと、おしかさんのなまりとおなじことばで語る京都へいって、祇園で名もなかったお雪を受出したのだ。そういう張合はあってもなくても、侯爵の思いようも一通りではなかった。誰れでもおしかさんは別者にして、近衛様のお側室さま格に思い、やがて呼迎えられる日のあることを、遅かれ早かれ、約定済みのように傍の者も思っていたが、侯爵は思いもかけぬ病気で不意にこの世を去られた。
それからのおしかさんに、良い日のないではなかったが、最初にあまり良き人々に愛されすぎて、盛りがすぎてゆくとは反対に、誇りの方が高くばかりなっていった。後には長く紅葉館の支配人をしていた某氏と、殆ど夫妻のように見られていたが、その人にも死別してしまった。いまでは、昔はそういう人であったかと、若いものにおりおり顔を見直させるだけで朽ちてゆこうとしている。
恋に生きた昔は知らず、得意な女と、失意の女とが、おなじ起伏しのころのように、一人は踊り、一人は地を弾いて相向っている――
須磨子夫人が昔をふりかえって、以前の友達にむかってもらしたという感想は、