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さるかにかっせん

日本の神話と十大昔話

楠山 正雄

線上閱讀楠山 正雄《日本の神話と十大昔話(さるかにかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 36,605 字 · 76 頁

青空文庫

くず屋はびっくりして、はね起きました。

「やあ、たいへん。茶がまが化けたぞ。」

「くず屋さん、そんなにおどろかないでもいいよ。」

「だっておどろかずにいられるものかい。茶がまに毛がはえて歩き出せば、だれだっておどろくだろうじゃないか。いったいお前は何だい。」

「わたしは文福茶がまといって、ほんとうはたぬきの化けた茶がまですよ。じつはある日野原へ出て遊んでいるところを五、六人の男に追いまわされて、しかたなしに茶がまに化けて草の中にころがっていると、またその男たちが見つけて、こんどは茶がまだ、茶がまだ、いいものが手に入った。これをどこかへ売りとばして、みんなでうまいものを買って食べようと言いました。それでわたしは古道具屋に売られて、店先にさらされて、さんざん窮屈な目にあいました。その上何も食べさせてくれないので、おなかがすいて死にそうになったところを、お寺の和尚さんに買われて行きました。お寺では、やっと手おけに一ぱいの水をもらって、一口にがぶ飲みしてほっと息をついたところを、いきなりいろりにのせられて、お尻から火あぶりにされたのにはさすがにおどろきました。もうもうあんな所はこりこりです。