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さるかにかっせん

日本の神話と十大昔話

楠山 正雄

線上閱讀楠山 正雄《日本の神話と十大昔話(さるかにかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 36,605 字 · 76 頁

青空文庫

二

」

おじいさんも、おばあさんも、うれしがって、こう言いました。

そこであわてておじいさんがお湯をわかすやら、おばあさんがむつきをそろえるやら、大さわぎをして、赤さんを抱き上げて、うぶ湯をつかわせました。するといきなり、

「うん。」

と言いながら、赤さんは抱いているおばあさんの手をはねのけました。

「おやおや、何という元気のいい子だろう。」

おじいさんとおばあさんは、こう言って顔を見合わせながら、「あッは、あッは。」とおもしろそうに笑いました。

そして桃の中から生まれた子だというので、この子に桃太郎という名をつけました。

二

おじいさんとおばあさんは、それはそれはだいじにして桃太郎を育てました。桃太郎はだんだん成長するにつれて、あたりまえの子供にくらべては、ずっと体も大きいし、力がばかに強くって、すもうをとっても近所の村じゅうで、かなうものは一人もないくらいでしたが、そのくせ気だてはごくやさしくって、おじいさんとおばあさんによく孝行をしました。

桃太郎は十五になりました。

もうそのじぶんには、日本の国中で、桃太郎ほど強いものはないようになりました。桃太郎はどこか外国へ出かけて、腕いっぱい、力だめしをしてみたくなりました。