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さるかにかっせん

日本の神話と十大昔話

楠山 正雄

線上閱讀楠山 正雄《日本の神話と十大昔話(さるかにかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 36,605 字 · 76 頁

青空文庫

「桃太郎さん、桃太郎さん、どちらへおいでになります。」

とたずねました。

「鬼が島へ鬼せいばつに行くのだ。」

「お腰に下げたものは、何でございます。」

「日本一のきびだんごさ。」

「一つ下さい、お供しましょう。」

「よし、よし、やるから、ついて来い。」

きじもきびだんごを一つもらって、桃太郎のあとからついて行きました。

犬と、猿と、きじと、これで三にんまで、いい家来ができたので、桃太郎はいよいよ勇み立って、またずんずん進んで行きますと、やがてひろい海ばたに出ました。

そこには、ちょうどいいぐあいに、船が一そうつないでありました。

桃太郎と、三にんの家来は、さっそく、この船に乗り込みました。

「わたくしは、漕ぎ手になりましょう。」

こう言って、犬は船をこぎ出しました。

「わたくしは、かじ取りになりましょう。」

こう言って、猿がかじに座りました。

「わたくしは物見をつとめましょう。」

こう言って、きじがへさきに立ちました。

うららかないいお天気で、まっ青な海の上には、波一つ立ちませんでした。稲妻が走るようだといおうか、矢を射るようだといおうか、目のまわるような速さで船は走って行きました。